久しぶりに冷や汗・・・術後
夕方5時半にCVICUに戻ってきた、冠動脈バイパス術後の患者さん
83歳男性
昔一度バイパス術しています
戻ってきてすぐのEKGですでにSTの変化があり、ニトログリセリンの点滴を使いたかったけれど血圧が低すぎで使えず
とりあえず、ノルエピネフリンとエピネフリン、心房のペーシングで様子を見ていたようです
ノルエピネフリンとエピネフリンは、ペーシングのおかげですぐ必要なくなり、11時に申し送りを始めた時にはペーシングだけでした
もちろん、まだ覚醒せず人工呼吸器がついたままです
申し送りが始まってすぐ血圧が80代に下がり始め、準夜勤のナースがエピネフリンの持続点滴を再開
あとは、tisaneが心拍出量をチェックしておくから、と引き継ぎました
この状態でねー
二人受け持ちにするかな、マネジメント
もう一人の患者さんなんて、混乱して叫んで、酸素チューブをはずしてSatが79%なんて状態
心拍も、もともと心房細動なのに110代ですよ
それで、どうにかなだめて酸素をつけて、とりあえずSat97%に回復し心拍も70代
ここまで、術後の患者さんとの間を行ったり来たり、30分は経過
やっと一人が落ち着いた、と思ったら
術後の患者さんのところに立ち寄った準夜勤のアシスタント・マネージャーが、「呼吸器をウィーニングできるでしょ!」とグリグリダイヤルを回して呼吸器の設定を変え、バーイ!と帰宅
早いなぁ・・・こうでもしなければ、ウィーニングは進まないものなのか?と感心していたところ、患者さんが無呼吸、心拍はVT(心室粗動)!
勝手に呼吸器の設定を変えてくれて、サンキュー
じゃなくて、ノーサンキュー!だよ、コレ
同じ頃、大動脈瘤のオペが終わり患者さんが運ばれてきて、他のナースたちや医師はそちらの患者さんの処置にかかりっきり
ここでVTでコードブルーになって、だれも手助けに来れない!
確実に、ヤバイです
あわてて呼吸器の設定を戻し(自発呼吸なんてさせている場合じゃない)
VTはすぐおさまって血圧もなんとか保たれ、ほっ
と、思えば、またちょっと短いVT、そして不整脈が続きます
補正中のカリウムの点滴をとりかえ、ふっと心電図を見ると
心房ペーシングがズレている…ペーシングするべきところでペーシングせず、ペーシングの刺激が送られてもペーシングせず
こんなときに・・・
ペースメーカーの設定をチェックしたけれど、できる範囲ではどうにもうまくペーシングできない
はた、と気づいた
もしかして、不整脈の原因は無呼吸、ペースメーカー以外の
さっき開始したエピネフリン点滴の副作用じゃないのか?
エピネフリンを止めてノルエピネフリンに変更
ペースメーカーは上手く作動しないので、心房ペーシングから心室ペーシングに変えてみました
心室ペーシングでは、やはり心拍出量は確保できません
血圧も下がっていきます
しかたないので、ペースメーカーはバックアップ設定
自分の心拍59から60代前半とノルエピネフリンで、心拍出量を確保できないものか、と願っていました
呼吸、ペースメーカー、カリウムの補正、エピネフリンの停止で、なんとか不整脈はおこらず血圧も110代
でも、心拍出量がなかなか回復してくれません
ここまでで、すでに3時間経過
ギブアップです
医師に、ノルエピネフリンに重ねてミルリノンなどの血管拡張作用のあるアイノトロープを使えないか、と聞いてみました
医師の決断は、もう一度心房ペーシングをしてみましょう、でした
なんと、コレが今度は上手くいったのです
ペースメーカーの感度チェックは抜きにして、一番高い感度と10mAの刺激でペーシング
心拍出量もなんとか回復してきました
この間、もう一人の患者さんが寝ていてくれたので大助かりです
朝には、ノルエピネフリンも使用しなくてよくなり、呼吸器からの離脱もできました
ああやって呼吸や電解質の環境が整えば、再び上手くペーシングできるということもあるのですね
日勤の先輩ナースが、もうひとつコツを教えてくれました
心房のみのペーシングが上手くいかなくても、心房と心室を同時にペーシングすると上手くいく時もある、と
エピネフリンをすぐ止めた判断は正しかったけれど、今度はDDDでペーシングしてごらん、だそうです
そっかー
83才のおじいさん
治してもらった心臓で、まだまだ長生きです













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