土曜日は、ホントーに忙しかった!
病棟はFull House(満床) そして、重症度も↑↑
私の受け持ち5人も、朝からすでに「やることリスト」がずら~り
血液検査、血統測定、ガーゼ交換、ヘパリンの点滴、退院指導、食事介助…
病棟のみんなが忙しかったうえに、ナースコールが、かわるがわる鳴り続け
ベッドアラーム(転倒予防のためのアラーム、患者さんが立ち上がろうと体重を移動すると♪メー
さんの ひつじ ひつじ ひつじぃ♪と鳴り響く)があっちこっちで歌う
そのたびに、あっちに走り こっちに走り
何しろ患者さんが立ち上がってしまって転ぶ前に、そこに到着しなくちゃいけないから!
そのうえ、心電図モニターのRed Alarm
Yellow Alarmよりさらに緊急性の高いのが、Red Alarm
Red では、ナース全員がその患者さんのもとに駆けつけ状態を確認する
なんとなく、新人ちゃんがタイヘンそぅ、とは思っていたけど
こちらはこちらで、自分の患者さんのことで手一杯
とても「何か手伝おうか?」といえる状態じゃない
案の定、新人ちゃんはだいぶ業務が遅れてしまって
その上チャージナース(リーダーナース)にいろいろ助けを求めるものだから、チャージナースもチャージ業務どころではなくなり、怒っていた
シフトの終わり
新人ちゃんがtisaneのところに来て、Do you have a minute? と
新人ちゃんにそう言われたら、Noとは言えない
二人で誰もいないカンファレンスルームに行く
…と、いきなり新人ちゃんがテーブルに突っ伏して、泣き出してしまった!
どうしたらいいのか、わからない
どうしてこんなに業務が遅れたのか、わからない
何がどうなったのか、わからない
と泣くのだ
なんか、頭の中がごちゃごちゃみたいで、いろんな状況を次々に話している
頭の中が混乱しているから、何がどうなったのか把握できないのだ
本人が混乱しているから、その話を聞いているこっちまで混乱しそう
朝の8時に一人目の患者さんの所に行きアセスメントをして呼吸状態が悪いことに気がつき対応していたら、他の患者さんに9時に渡すはずの薬が、11時になっても渡せなかった…と言い出した
これは、まずいだろぅ、いくらなんでも9時が11時半…
病院のプロトコールでは、指定の時間の1時間前または1時間後までは薬を与薬してもいいことになっている
つまり、2時間の幅があるわけだ
9時の薬なら、8時にあげてもいい
遅くても10時までにあげればいい
それが、11時
しかも、その事実を、まだ記録もしていないし(午後4時)、医師にも報告していない
医師への報告をしなければ、自分のライセンスを問われかねない
遅れた事実は、きちんと報告し記録しておく必要がある
これは、きっちり覚えておいてね
そして、優先順位のつけ方
「薬」は、何よりも大切
患者さんは治療を受けるために、病院に入院している
一人の患者さんの呼吸状態が悪く、その対応をしていたのは分かるが、例えば呼吸器セラピストが到着し対応している間は、一時ナースは離れても支障はない
その間に、一人でも二人分でも、薬は配ることができるんだよ
7時半にレポートが終わって、10時半まで状態を確認しなかった患者さんがいる、というのだ
つまり、一人目の患者さんの呼吸状態が悪いのでその対応に追われ、他の患者さんの所には行けなかった、というのだ
…その間にどうにかなっていたら、どうするの?
たとえば、チャージナースに状態の悪い患者さんのことを一時まかせ、その間に他の患者さんの様子を確認する
15分あれば済むはず
7時半から10時半まで3時間も「ほったらかし」は、危険すぎ!
プロトコールでも、1時間に一度は様子を見ることになっている
Head to Toeのアセスメントをしなくても、COPDの人の呼吸音を聞く
心不全の人の、心音と肺音を聞く
脳梗塞の人の、神経系のチェックだけはおこなう
それくらいは、2,3分でできるように、ヘルスアセスメントの技術を練習してね
そして、チャージナースの役割
何から何まで、チャージナースにお願いはできない
どうやら、新人ちゃんはチャージナースは忙しいナースをヘルプする人、だと思っていたらしい
??
チャージナースの業務は、病棟を円滑に運営すること
チャージナース=助っ人 ではないんだよ
急変が出て、対応が必要ならそのヘルプはしてもらえるけど、自分の患者さんのケアは自分がおこなう
でも、今回の体験のせいで
看護が嫌い
にはなって欲しくなかった
今回の体験は、自分の未熟さをしるチャンス
優先順位がつけられなかったこと
タイムマネージメントができなかったこと
報告と記録を忘れていたこと
チャージナースの業務をきちんと理解できていなかったこと
アセスメントのスキルの練習不足だったこと
それに気づいたのだから、あとは向上させるだけ
“Aware of what I don’t know” is better than “Unaware of what I don’t know”
いつか、
Do it without thinking
という日がくる
必ず来る
次の日、新人ちゃんはなんとか出勤してきた
そしてtisaneに「どうしても受け取って欲しい」と、白い小さな包みをくれた
なんか、いい香り
それは、せっけん
彼女の手作り
オーガニックの材料だけを使って、ひとつひとつ丁寧に作るのだそうだ
色も香りも無理につけたりせず、全て天然素材
ラベルには Orange Lavender と印刷してあった
「もちろん、ここ2,3ヶ月は作るヒマがないけどね」と笑っていた
さわやかな柑橘系のかおりと、すがすがしいラベンダー
思わず目を閉じて深呼吸したくなる
まぶたの裏に、草原が広がり
静けさの中にざわざわと草の揺れる音だけがする
一時、そんなところに私を連れて行ってくれた せっけん
Orange Lavender
これが、新人ちゃんの気持ちなのかも