看護学生が実習に来た
State Universityの3年生
LTCF(Long Term Care Facility: 長期療養ケア施設)での実習を終え、今回はAcute Care (急性期ケア)の実習だそうだ
入院日数の短いアメリカでは、学生さんたちは前日にいわゆる「患者わたし」(受け持ち患者さんの情報を先生から通知)がある
わたされたその日一日で疾患や薬理をおさらいし、看護計画を立て、次の日の実習に望む
けっこうキビシイ
実習日は、週2日で、日本のように実習期間の数週間はずっと病院実習ということはなく、授業内容と平行した実習内容になっている
たとえば、今授業で「循環器」を習っているとすると、今週の実習は循環器系の疾患や合併症のある患者さんを受け持つ 循環器疾患の患者さんを実際に診て、看護する
今日、私に付いた学生は、Veronicaちゃん
Veronicaちゃんが私に声をかけてきたときには、受け持ち患者さんのレポートが終わっていた(ちと、おそかったねぇ、今度は早くきてね)
Veronicaちゃんは、前日先生に44号室のMs. M. CHF (Congestive Heart Failure)の患者さんをわたされていた…朝のレポートでは、今日退院予定
私も知らなかったけど、彼女も知らなかった
退院は11時だから、3時までいる学生さんを抱えて私も困った
11時から3時まではどうするの?
他の患者さんにする?と聞いたけど、そのまま退院指導を見たい、と言う
11時からはどうする?というと、私に付いて何でも見たい…と言う
私はいいけど、これって、実習目的に合っているんだろうか?
先生に確認したら? ・・・ところが、先生が見当たらない
先生どこ行っちゃったんだろう? 先生は、ポケベルでよばないと来ないらしい
結局、受け持ちの患者さんが退院したあとは、私について「何でも見る」ことになった Shadowingだ とりあえず、VeronicaちゃんのCHFについての知識の確認、看護計画のチェック、アセスメントの内容をおさらいして、患者さんに学生を紹介する
それから、病院でのCHFのパスについて、患者教育ビデオについて、退院指導内容についての説明をする
Veronicaちゃんからの質問に答える・・・
やっぱり、学生指導は時間がかかる・・・先生、こないのかなぁ
私も他4人の患者さんを抱えているし、Veronicaちゃんのアセスメントスキルをチェックしている暇もなく、「患者さんのアセスメントが終わったら、知らせてね」と44号室に残してきちゃった
なーんか、ながーいこと部屋にいたみたいだけど、気が付いたら朝食も運んでいたし歯磨きや洗面も手伝っていた
基本的な清潔や排泄に関する看護技術は、できるみたい
急性期看護で必要な、アセスメントはどうなんだろう??とアセスメントした内容を確認すると、心音の聴診を忘れていたけれど、あとは一通りできた
肺音も聞いたみたいだけど “I heard some noise. . .”とVeronicaちゃん
雑音の種類が区別できないらしい
そこで、患者さんの所に戻って一緒に確認
そそこへ、看護助手がVSを測り終え、持って来る T = 36.8, P = 78, RR = 20, BP = 146/76, Sat. = 96%, RoomAir
「この数値、正常?異常?」と聞くとVeronicaちゃんは数字を見つめて黙っている
待つ 待つ 待つ けど、返事が返ってこない・・・
「体温の正常範囲は?」とたずねると「37度以下・・・」
「血圧の正常範囲は?」とたずねると「160/80」とVeronicaちゃん ・・・おしい!「範囲(Systolic = 100-160, Diastolic = 60-80)」で答えて欲しかった 血圧70/40では正常じゃないし
「脈拍は?」→「100以下・・・」 んー、ま、いぃっか
「血中酸素濃度は?」→「90%以上・・・」 この病院では92%以上だからネ
「じゃあ、このVSは正常?以上?」とまた最初の質問に戻る
「いいと思います・・・」とVeronicaちゃん あー、やっとできた
「じゃあ、この患者さんは退院してもいい?」と聞くと・・・考えている
そして「いいと思います」と答えてくれた
じゃ、退院指導しようか!「はい」とVeronicaちゃん
それから、CHFの退院指導内容にはどんなことが必要かおさらいして、服薬指導の薬のおさらいをして・・・やっと44号室に向かった
はぁーっ
この患者さんが退院したあとの残りの4時間、こんな調子でいろんなことを一緒にやった
subcutaneous injection, feeding, decubitus care and assessment, tube feeding, medication from G-tube, rectal tube Care, pain assessment and giving narcotic medication, removing IV access, closing intake and output. . .
看護技術っていろいろ、ある
ひとつひとつにアセスメントが必要で、アセスメントのための基礎知識が必要で・・・実施するときには判断をともなっていて、判断するための知識が必要で、実施するときには技術の習得が必要で・・・
ナースになる道って、こんなに長かったのね
私も学生のときはこんな調子だったかも
もしかして、もっとひどかったかも!
もちろん、私は残業する結果に
でも、ひとりでも多くいいナースが誕生するなら、ちっとの残業くらいよし、とします
Veronicaちゃんには大変な一日だっただろうけど、ナースになる道をあきらめずに歩んで欲しいデス