してもいい食事介助(Feeding)
毎日の看護ケアのなかで、一番時間がかかるのは「患者教育」
薬の飲み方の説明だったり、退院後の生活だったり
インスリンの自己注射にいたっては、自分でできるようになってもらわなくてはならないので、説明し→やって見せ→手順を一緒に確認しながらやってもらい→できなかったところは、もう一度やって見せ→全部自分でやってもらう、なーんてことになる
「患者教育」の次に時間がかかるのは「食事介助」
だいたい介助が必要な人は、食べるのもゆっくり
飲み込むのに時間がかかるか、飲み込めなくてむせるので慎重に少しずつ食物を口に入れるか、食べたくなくて抵抗されるのでなだめすかすのに時間がかかるか
スプーンを口に近づけると、むぅっ、と口を固くつぼめて開けないのもある
そんなとき、スプーンで口をツンツンすると、貝みたいに二度と開かなくなる(患者さんで遊んでスミマセン)
だから、また後で食事を温めなおしてでなおしか、少量ずつこまめに食べてもらうか
とにかく食事介助は時間がかかる
時間が永遠にある病棟ならいいのだけど、別の患者の血圧が下がっていたり、胸痛を訴えたり…なんてこともあるから、「ゆっくり世間話しながら食事介助」は残念ながら、ムリ
しかも、食事は一日3回
日勤ではそのうち2回を介助することになる
私が看護ケアを提供できる時間は8時間しかないのに、一回の食事介助で(準備~後片付けまで含めて)30分×2=1時間をとられるのは、かなりイタイ
でも、今日のおじいちゃまだけは、また介助したいのデス
私が「マッシュポテトですよー」とスプーンを口に近づけると
パクッっと食べて “so wonderful”
「もう一口、いかがですかー」とスプーンを口に持っていくと
パクッ、 “Mmmm good”
「もう少し、大きな口、開けられますかぁ」で
パクッ、 “Oh good, good”
「マッシュポテト、スキなんですねー、はいどうぞ」
パクッ、“Everything is good”
「よくがんばりましたねー。これで最後ですよー」
パクッ、”It is wonderful”
ね、
冷凍マッシュポテトくらいで幸せな気分にしてくれるでしょ~☆
「ゼリーもトレイにのっていますよー」と言うと
“Ah!!” と息をのんで、 “How about that!” と大喜びだ
一口一口は、小鳥みたいに小さくて時間がかかるけど、こんなに喜んでもらえるなら、明日も食事介助しちゃお!
そして、ボケるならこんなふうに・・・(ひそかな願い)
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Comments
流風が高齢者になって、入院した場合、食事は自分のペースで、ゆっくり摂ることができず、看護師さんに、もてあそばれるんですね。
看護師さんが食事介助すること自体、無理があるように思いますね。ボランティアでは駄目なのかな。
Posted by: 流風 | 07/07/2005 at 02:51 AM
なんだか「看護師の喜びを感じる瞬間」を垣間見た感じです。
やっぱり「喜んでもらえる」っていいですよね~。
こういった瞬間があるから、イヤな業務があっても耐えられるのかな、看護師さんって…。
最近の疲れた気持ちを癒してもらえるブログでした。
ホントありがとうございますm(_ _)m
Posted by: きくきく | 07/08/2005 at 03:22 AM
こんにちは、食事介助の記事を読み思わずコメントせずに
いられませんでした。
肺炎で入院してきた90歳の女性が改善後も食事
摂取が進まず、家族と相談してチューブを胃にいれ、
そこから栄養を取る事になったのですが、と
ここまではよくある話なのですが。
今までどんなナースが介助しても数口しか摂取しなかった
この患者さんですが、あるナースが主食(お粥)を全量摂取
しましたと嬉しそうに報告に来たのでよく聞いてみると、
「これは栄養士さんがOOさんのために作ってくれたのよ
食べないとね」と諭しながら介助したら自ら口を開け全部食べたとの事。
入院前から認知症(痴呆)も進んでいたとのことで、
肺炎が良くなった後も会話も成り立たない状況だったので、
他の人は誰も考えもしなかったのですが・・・
脱帽でした。
やはり、日本人は義理と人情です(笑)。
先週あった嘘のような本当の話です。
発見した若いナースも喜びを感じた瞬間だったでしょう。
嬉しそうに報告に来た顔が忘れられません。
これからもblog楽しみしています。
Posted by: tanchan | 07/11/2005 at 12:02 PM
>流風さま
ご意見、ごもっとも
現場の状況にもよりますが、ボラさんでもいいときもあるし、誤飲の危険性がある方の場合は、ナースアシスタントでも危ないのでナースが担当するときもあるし、で
病院ではゆっくり自分のペースでご飯が食べられないのデス
食事のほかにも、排泄介助、清潔援助全てにおいて、改善の余地ありそうです
なにか、いいお知恵があれば、授けてくだされ
>きくきくさま
こちらまで、のぞきにきてくれてありがとうございます
「こういった瞬間があるから、イヤな業務があっても耐えられるのかな、看護師さんって…。」
↑やっぱり、そうみえます?自分でもよく分からないのですが、この「瞬間」にだまされ続けて看護やっているのかも知れませんねー(笑)
>tachanさま
コメントありがとうございます!
認知症だったのにねぇ、ちゃんと話しかけた看護師さんはえらいですー、感動
やっぱり、看護学校で習うことは本当だった・・・
「無反応」の方でもちゃんと話しかけて看護します、勉強になりました
また、いろいろ教えてください
Posted by: tisane | 07/12/2005 at 10:46 AM
以下、高齢者医療の日本のケースで考えてみました。
日本では、「看護婦」から「看護師」に変更された。「師」とは「先生」のことですよね。ところが、看護師の方も周囲も、その意識転換が不十分のように思います。
看護師というはアシスタント・ナース、看護学生、ボランティア、その他のサービス提供者に対して、指導的立場です。また医師に対しても、上下関係ではなく、同等の立場です。
看護師の方が何でもかんでも、自分でやるのではなくて、人を使って、いかに人材を成長させていくかという視点が求められます。
そして、将来的には、医師のある分野を引き受ける時代になると思います。医師も専門家が増えて、専門バカの技術者のような方が増えていますが、それでは、病人の全体像が見えません。
つまり、看護師の役割としては、病人の状態から全体把握しやすい立場と思います。現在でもされているとは思いますが、医師に対してより一層、適切なアドバイザーになることが求められていると思います。
ある意味、高齢者医療の分野では、医師と看護師の立場の逆転があるかもしれません。変なプライドから、大半の医師は気づいていないようですが。
Posted by: 流風 | 07/12/2005 at 04:17 PM
tisaneさんお久しぶり!
何回かなぜかコメントが書き込めなかったので今日こそは☆
患者教育、って読んでから「なるほど、もちろんそういう教育があるに決まってる!」と思いました。考えたこともない言葉だったのですごく新鮮でした。
このおじいちゃんはすごく反応がチャーミング!私もこういう老人を目指します...。
Posted by: スコノりこ | 07/13/2005 at 11:06 PM
>流風さま
看護師に指導的役割が求められているというのは、おっしゃるとおりですね
看護学では、よく車輪の軸の部分を看護師にたとえます
医療はチームワークで、車輪の輪には、医師、ソーシャルワーカー、薬剤師、理学療法士、放射線技師などの医療従事者がいるしくみ
看護師が患者さんに一番長く接し一番近い存在なので、Advocator…患者さんの変わりに、患者さんのニーズを把握し、必要なケアが受けられるよう調整する役割
日本でもきちんと看護管理学を教えている大学も多いので、tisane個人としてはけっこう将来が楽しみなんです☆
>スコノりこさま
何度もコメントトライしてくださって、ありがとうございます!
でしょ~、このおじいちゃま、ほんとステキだったのに、もう、病棟からはいなくなりました
これ以上語るとまたHMOネタになるのでやめますが ^-^;)
「患者教育」って、何気なく書きましたが、医療の独特の言葉?
スコノりこさんは、教育の専門家でしたねー
こんど、教育についてご教授くださいマセ
Posted by: tisnae | 07/15/2005 at 06:25 PM